『新感染』、ゾンビ映画、定番ハズレなしのエンターテインメント作品
ゾンビ映画。都市でゾンビ・ウイルスがばら撒かれたら……というパニック映画。父と娘、夫と妊婦、高校生のカップルなど、様々な人たちが生きるために必死に逃げる。
おもしろかったポイントは3つ。
- 自分の一番好きな人がゾンビになってしまったら?
ゾンビ映画の定番の問いかけ。
愛する人が、ゾンビに噛まれ、だんだんとゾンビに変わっていく。そんな時、あなたはどうしますか?
その問いかけが様々な形を変えて、行われる。人間のうちに殺すか、殺せず、噛み殺されるか。まだ助かるんじゃないかという希望。殺さなければ自分が殺されるという葛藤。そして、すべての希望を打ち砕くゾンビ化からの死。愛するものに殺されてしまう不条理。そんな現実が、怒涛のように、一気に押し寄せてくる。
その問いに対する答えを、ほとんどの人は持っていない。殺せないよなと思うし、殺されるのも嫌だ。だが、選ばなければ殺される。そこに正解はない。
- 人間の本性が出てしまう
人間のエゴが剥き出しになるところも良い。
追い詰められた人間は、生きるためにあらゆる汚いことをする。けれど、映画の中でエゴを剥き出しにするとどうなるか? 罰が下る。大抵は、とんでもない凄惨な死に方をする。特に『新感染』は、勧善懲悪の要素が強かったように思う。悪い奴は徹底的にひどい目にあい、正しいことをする人間が生き残る。
もちろん、全ての良い人が生き残れるわけではない。良い人もほとんどは死ぬ。だが間違いないのは、悪党はもれなく全員死ぬということだ。
- 父と娘、夫と妊婦、高校生のカップル。分かりやすい二人一組
主役級の人たちが二人組セットになっているのも良い。
父と娘、夫と妊婦、高校生のカップル。どちらが生き残るだろうか。また、どんな風に別れるのがより美しいか。もし逆だったらどうだろう。そんなことを考えるのもおもしろい。
分かりやすい関係になっているので、先の展開が予想しやすい。
そして、予想が裏切られるのも楽しい。話の筋がしっかりしているからこそ予想が立てられるし、その裏切りも気持ちが良い。
- まとめ
ゾンビ映画に期待される要素があり、分かりやすい人間関係、分かりやすい展開が待っている。けれど、そこには、簡単に答えの出せない問いがある。愛する人がゾンビに変わってしまったら、あなたはどうしますか?