木曜日20時、不定期更新。 小説、映画について書きます。 推理小説中心です。

壮大な夢オチ

 

 「Once Upon a Time in Hollywood」が最高だったので、タランティーノ監督も大ファンだというこの映画をあらためて観た。様々なバージョンがあるようだが、今回は「完全版」のオーディオコメンタリーを選んだ。

 

タイトル、アヘン窟の描写、ラストシーンがひとつながりであるならば、この物語は主人公のみた夢の話である。主人公のヌードルスも、マックスもヒロインも皆、それぞれ胸に抱いた夢に向かって手を伸ばし、結局何も掴めない。そんな35年の悪夢だ。

 

物語が終わった後、夢から醒めたヌードルスは、何かを変えることができるだろうか?  おそらく何も変えられない。「マクベス」のように、運命に翻弄され、生きていくしかないのではないか。そんなことを思う。