アイルランド移民とボストン警察の関係
マーティン・スコセッシ監督作品。舞台はアメリカ、ボストン。アイルランド移民を描いた映画である。ボストン警察にはアイルランド移民が多いらしい。
作品の中では男たちの「表の顔」と「裏の顔」が描かれる。レオナルド・ディカプリオとマッド・デイモンの演じる、二人の警察官を対照的に描いていく映画、という印象を持っていたが、改めてみると、ジャック・ニコルソンも同じく「表の顔」と「裏の顔」を使い分けている男であった。パッケージの通り、三人が主人公なのだ。その「裏の顔」の部分に、それぞれの真の欲求がはっきりと現れている。
同じくマーティン・スコセッシ監督作品に「グッド・フェローズ」という映画がある。
こちらはニューヨーク、ブルックリンを舞台にしたギャング映画だ。ちなみにブルックリンはこのあたり。ロングアイランドの西端である。
「グッドフェローズ」では、アイルランド系とイタリア系移民の違いが描かれる。こちらは「家族や仲間を信頼する」という価値観が、どう変化するかが一つの見所だ。どこまでが仲間で、どこまでが仲間ではないのか。「仲間」を大切にする、というワードは心地良く響くが、それ以外を排除するという「裏の顔」も持っている。どこで仲間と線引きするのかは、その人の気持ち次第である。