木曜日20時、不定期更新。 小説、映画について書きます。 推理小説中心です。

映画と小説じゃ、タイトルの意味が全然違う

 

一人の探偵がカリフォルニア州で起きた不可解な事件を追っていく物語。

 

原作小説を読んでいたから、謎解きまでのプロセスを楽しむことができたが、もし知らなかったら話についていけただろうか。

出だしの展開は単純ではない。最初に起きた殺人事件と、失踪した小説家さがしとの関連がよく分からないままに物語は進んでいく。

 

筋の流れに難しさはあるのだけれど、主人公であるフィリップ・マーロウを見ているだけでも楽しめる映画だ。貧乏くさいペントハウスに猫と一緒に住んでいる探偵。猫に振り回されて深夜に餌を買いにいかされる。隣にはダンサー志望の女たちが半裸でダンスの練習をしている。普段はふざけたことばかり言っているが一本筋が通っていて、権力には決して屈しない。そして自分の目で見たものしか信じない。周りからはテリー・レノックスはただのゴロツキだと言われるが、あいつは友達だからと、信じ続けるのである。

 

後の探偵ものに大きな影響を与えただけのことはあり、そのキャラクター、生活にはワクワクされられる。

 

レイモンド・チャンドラーの小説とは全く違う作品であるという情報は知っていた。にも関わらず、最後の展開にはびっくりさせられる。小説版と映画版ではLong good-byeという言葉が意味に響くのである。